都内には数百もの神社仏閣があり、それぞれに魅力的な御朱印が存在します。近年「御朱印ガール」という言葉が生まれるほど人気を集めている御朱印ですが、中でも際立つ個性を持つものがあります。
本記事では、伝統的な墨書きと朱印だけでなく、刺繍、切り絵、カラフルな彩色など、他では見られない技法や意匠を凝らした「すごい御朱印」を授与する東京の神社5選を独自の視点で紹介します。
御朱印巡りの最新情報と共に、効率的な回り方やマナーについても解説します。
御朱印の基礎知識とマナー
御朱印は元々、寺院に写経を納めた際に僧侶から授与される証でした。現代では参拝の記念として授与されるものですが、単なる記念品ではなく、宗教的意味を持つ神聖なものです。御朱印には一般的に神社名や参拝日付が墨書きされ、神紋が朱印で押されます。東京の神社では江戸時代から続く伝統デザインの御朱印から、現代的なアレンジが施されたものまで様々なタイプが見られます。
御朱印帳は神社用とお寺用で大きさが異なり、神社用の方が一回り小さいのが一般的です。最初に訪れる神社で購入するのも良いですし、文具店やAmazonでも購入できます。記念に残るものなので、自分の好みのデザインを選ぶことをおすすめします。御朱印帳は湿気に弱いため、風通しの良い場所で保管し、直射日光は避けましょう。

御朱印は参拝の証ですので、必ず参拝してからいただきましょう。参拝せずにスタンプラリーのように御朱印だけを集めようとするのはマナー違反です。また、御朱印をいただく際は授与所や社務所の方に敬意を持って接しましょう。人気の神社では御朱印をいただくために長時間待つこともあるため、時間に余裕を持って訪問することをおすすめします。
この御朱印がすごい神社5選【東京編】
その1 阿佐ヶ谷神明宮 – 日本初の刺繍入り御朱印

杉並区阿佐ヶ谷に鎮座する阿佐ヶ谷神明宮は、「杉並に鎮まるお伊勢さま」として地元の方々から親しまれています。『江戸名所図会』によると、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が東征の帰路でこの地で休んだことが由来とされています。
2009年には大改修が行われ、神明造りの御殿・神門、新しい社殿などが誕生しました。本殿には天照大神(アマテラスオオミカミ)、摂社には月読命(ツクヨミノミコト)と須佐之男命(スサノオノミコト)が祭られています。
阿佐ヶ谷神明宮の最大の特徴は、2019年3月から授与が始まった全国初の刺繍入り御朱印「大和がさね」です。これは、日本の伝統技術である美濃和紙と繊細な刺繍技術を組み合わせた芸術品と言えるもので、専用のクリアファイルに入れて授与されます。
季節や行事に合わせてデザインが変わるのも魅力で、桜、あじさい、天の川など様々なモチーフが刺繍されます。2021年は花火や風鈴のデザインも登場しましたが、人気が高くすぐに頒布終了してしまったそうです。
2021年9月からは新潟県長岡市の伝統工芸品「手漉き小国和紙御朱印」の授与も始まり、さらに御朱印のバリエーションが増えています。御朱印帳も6種類用意されており、「大和がさね」専用の御朱印手帳「大和がさねつづり」(2000円)も販売されています。
住所:東京都杉並区阿佐谷北1-25-5
電話:03-3330-4824
参拝時間:6〜17時(季節により変動)
授与所:9〜17時
アクセス:JR阿佐ケ谷駅から徒歩2分
その2 太子堂八幡神社 – 飛び出す立体御朱印とカラフル御朱印

世田谷区・三軒茶屋駅から徒歩10分の場所にある太子堂八幡神社は、平安時代後期に源頼義・義家親子が立ち寄り戦勝を祈願したという歴史があります。住宅地の中にありながら、木々に囲まれた緑豊かな環境で地元の癒やしスポットとなっています。境内には「弁天社」「稲荷神社」「出羽三山神社」や縁結びにご利益がある「相生の榊」も祀られています。また、参道には「幸せうさぎ」と呼ばれるウサギが飼育されており、手水舍奥にもウサギ小屋があるユニークな神社です。
太子堂八幡神社では毎月数種類のカラフルな御朱印が授与されています。巴に二羽の「八の字」を型取った鳩を組み合わせた神紋に「八幡神社」の朱印が重ねられ、その上に季節感のあるスタンプが押されるデザインが特徴です。
最も注目すべきは10月の例大祭時に授与される「飛び出す御朱印」です。鳥居やお神輿が立体的に飛び出すこの御朱印は、他の神社では見られない独創的なデザインで、御朱印コレクターの間でも話題となっています。また年間行事に合わせた節分祭、初午祭(お稲荷様の縁日)、夏のみたま祭など、様々な特別御朱印も授与されています。
神社のオリジナル御朱印帳も見逃せません。氏子地域内の革アトリエ「LA BORSA」とコラボレーションで製作された革製の御朱印帳カバーや小物も販売されています。
住所:東京都世田谷区太子堂5-23-5
電話:03-3411-0753
参拝時間:5時30分〜19時
授与所:10〜16時
アクセス:東急田園都市線三軒茶屋駅から徒歩10分
その3 寛永寺 – 徳川家ゆかりの切り絵御朱印

上野恩賜公園に隣接する天台宗の寺院「寛永寺」は、かつて上野公園一帯がその境内だった由緒ある寺院です。徳川将軍家ゆかりのお寺で、江戸幕府の歴代将軍が眠る御霊廟があることから、社紋や御朱印にも葵の御紋がデザインされています。美術館や博物館が集中する現在の上野文化ゾーンは、江戸時代の寛永寺の広大な敷地に建てられたものであり、歴史と文化の融合を象徴する場所です。
寛永寺の最大の見どころは、2023年に誕生した切り絵御朱印です。季節や行事、干支などにちなんで変わるカラーとデザインに、徳川家の象徴である葵の御紋が映える特別感あふれる御朱印となっています3。切り絵という技法によって立体感と奥行きが生まれ、通常の御朱印とは一線を画す芸術性を感じさせます。
寛永寺の御朱印は江戸時代から続く伝統と現代的なデザイン性が融合した逸品で、特に歴史好きな方には見逃せない一品です。また、上野公園内の他の寺社や文化施設と合わせて訪れることで、江戸文化と現代文化の両方を楽しむことができます。
住所:東京都台東区上野公園1-1
電話:03-3821-4202
拝観時間:9時〜16時30分
拝観料:大人600円、中高生400円、小学生200円
アクセス:JR上野駅から徒歩約5分
その4 烏森神社 – キングオブカラフル御朱印

東京都港区新橋に鎮座する烏森神社は、江戸時代からの長い歴史を持つ神社です。その名前は神社があった場所が「烏の森」と呼ばれていたことに由来します。かつては江戸の中心部に位置し、商人や職人たちの信仰を集めていました。現在はビジネス街の中にあることから、仕事の成功や商売繁盛を願う会社員やビジネスパーソンが多く訪れています。新橋駅に近く、東京の喧騒の中にあっても静謐な空間を提供する都会のオアシスとなっています。
烏森神社の御朱印は、そのカラフルさから「キングオブカラフル御朱印」とも称されています。赤・黄・青・緑の4色の巴紋と烏をあしらった社紋が特徴的で、一般的な墨と朱だけの御朱印とは一線を画す鮮やかさが目を引きます。
さらに魅力的なのは、季節や年中行事によって巴紋の色が変わる限定御朱印があることです。春には桜色、夏には涼しげな青、秋には紅葉を思わせる赤や橙、冬には雪を連想させる白など、四季折々の色彩が楽しめます。これにより、同じ神社を何度訪れても新しい発見があり、コレクション欲を刺激します。
住所:東京都港区新橋2-14-1
電話:03-3591-0623
参拝時間:24時間
御朱印受付:9時〜17時
アクセス:JR新橋駅から徒歩約5分
その5 水天宮 – 安産祈願の福戌御朱印

水天宮は東京都中央区日本橋蛎殻町にある神社で、特に安産祈願の神社として広く知られています。元々は福岡県久留米藩主・有馬家の鎮守として創建されたものが、江戸時代に久留米藩の江戸屋敷内に勧請され、明治時代に現在の場所に移りました。
主祭神は日本神話に登場する「市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)」で、安産や子育て、縁結びのご利益があるとされています。このため、妊婦さんや子宝を願うカップルが全国から訪れる人気のパワースポットとなっています。
水天宮の御朱印には、社紋の椿に三つ巴紋の印が押された通常の御朱印と、安産祈願のための「福戌御朱印」の2種類があります。「福戌御朱印」は安産祈願にちなんだもので、「戌」は犬のことで、お産が軽く一度にたくさんの子犬を産むことにあやかったものです。
この御朱印は特に妊婦さんや子どもを授かりたいと願う方々に人気があり、神社参拝の記念として大切に保管されています。また「一粒万倍日」や祝日には特別な御朱印が授与されることもあり、暦に合わせた参拝も楽しめます。
さらに、水天宮は「猫」に関連した御朱印も授与していることがあり、動物好きな方にも人気があります。神社によって御朱印のテーマが異なるのも東京の神社の魅力のひとつです。
住所:東京都中央区日本橋蛎殻町2-4-1
電話:03-3666-7195
開門時間:6時〜20時
授与所:9時〜17時
アクセス:東京メトロ半蔵門線水天宮前駅から徒歩約5分
東京御朱印巡りのモデルコース
限られた時間で東京の個性的な御朱印を集めたい方には、JR中央線沿線を巡るコースがおすすめです。阿佐ヶ谷神明宮(JR阿佐ケ谷駅から徒歩2分)で「大和がさね」をいただいた後、JRで御茶ノ水駅に移動し神田明神(徒歩5分)へ。その後、湯島天満宮(徒歩10分)で梅の花が美しい切り絵御朱印3をいただくというルートです。このコースなら約3時間程度で3つの個性的な御朱印を集めることができます。
時間に余裕がある場合は、以下のルートがおすすめです:
- 明治神宮(JR原宿駅から徒歩5分)
- 東京大神宮(東京メトロ飯田橋駅から徒歩5分)
- 赤城神社(東京メトロ東京メトロ飯田橋駅から徒歩10分)
- 花園神社(東京メトロ新宿三丁目駅から徒歩5分)
- 水天宮(東京メトロ半蔵門線水天宮前駅から徒歩5分)
このコースは東京メディア祖廟も含めた5社を巡るもので、伝統的な御朱印から個性的な御朱印まで様々なタイプを一度に集められます。神社間の移動も地下鉄を利用すればスムーズで、東京の主要な観光スポットも合わせて楽しめる充実したコースとなっています。
まとめ – 東京御朱印めぐりの魅力
本記事では、東京の中で特に独自性のある「すごい御朱印」を授与している5つの神社を紹介しました。阿佐ヶ谷神明宮の刺繍入り「大和がさね」、太子堂八幡神社の飛び出す立体御朱印、寛永寺の徳川家ゆかりの切り絵御朱印、烏森神社のカラフルな4色御朱印、水天宮の安産祈願福戌御朱印は、いずれも伝統と革新が融合した逸品です。
御朱印集めは単なる趣味や収集活動ではなく、日本の歴史や文化、信仰に触れる貴重な機会となります。また、御朱印巡りを通じて普段訪れない場所に足を運ぶことで、新たな発見や感動が生まれます。東京の神社は交通アクセスも良く、半日や1日で効率的に巡ることができるため、忙しい方でも気軽に始められます。
季節や行事によって変わる御朱印もあるため、何度訪れても新しい発見があります。ぜひ本記事を参考に、独自の視点で東京の「すごい御朱印」巡りを楽しんでみてください。