伊勢神宮の御朱印がひどいと言われる理由|断られるケースもあるのか?

伊勢神宮の御朱印がひどいと言われる理由|断られるケースもあるのか?
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近年の御朱印ブームの中で、カラフルでデザイン性の高い御朱印が人気を集める一方、日本の神社の最高峰である伊勢神宮の御朱印については「ひどい」「しょぼい」という評価が一部でなされています。しかし、その背景には深い意味と伝統があります。

本記事では、伊勢神宮の御朱印の特徴、いただける社、内宮と外宮の参拝順序の重要性、そして「ひどい」と評価される理由と御朱印を断られる可能性があるケースについて詳しく解説します。

目次

伊勢神宮の御朱印

伊勢神宮とは、正確には「神宮」と呼ばれ、皇大神宮(内宮)と豊受大神宮(外宮)を中心とした125社の総称です。この数多くの社の中で、実際に御朱印をいただけるのは7社のみとなっています。

  1. 皇大神宮(内宮)- 天照大御神を祀る
  2. 豊受大神宮(外宮)- 豊受大御神を祀る
  3. 月読宮(つきよみのみや)- 内宮の別宮
  4. 瀧原宮(たきはらのみや)- 内宮の別宮
  5. 伊雑宮(いざわのみや)- 内宮の別宮
  6. 倭姫宮(やまとひめのみや)- 内宮の別宮
  7. 月夜見宮(つきよみのみや)- 外宮の別宮

伊勢神宮の御朱印の最も顕著な特徴は、そのシンプルさにあります。多くの神社では社名や「奉拝」などの文字と共に多彩な朱印が押されるのが一般的ですが、伊勢神宮の御朱印は「神宮印」と「参拝日」のみという極めてミニマルなデザインとなっています。

内宮では「内宮之印」、外宮では「外宮之印」という篆書体(てんしょたい)で刻まれた印が押されます。この篆書体は古代の文字で、現在でもパスポートや印章、紙幣のハンコなどに使われている格式高い書体です。

御朱印の授与時間は基本的に6時から17時までですが、季節によって変動します(1~4月・9月は18時まで、5~8月は19時まで)。初穂料(値段)は特に明確には設定されていませんが、一般的には300円程度をお納めするのが慣例となっています。

内宮では神楽殿授与所、外宮でも同じく神楽殿授与所で御朱印をいただくことができます710。別宮についても、それぞれ独自の授与所があります。

内宮と外宮の順番はどうするべきなのか?

伊勢神宮参拝において多くの人が疑問に思うのが、内宮と外宮のどちらを先に参拝すべきかという点です。結論からいえば、古くからの習わしでは「外宮から内宮」の順に参拝するのが正式とされています。

より具体的には、参拝の正式な順序は次のようになります:

  1. 外宮の御正宮(豊受大神宮)
  2. 外宮の別宮
  3. 内宮の御正宮(皇大神宮)
  4. 内宮の別宮

この順序には深い意味があります。外宮には食物や産業を司る豊受大御神が祀られており、まず私たちの生活の基盤である「食」を司る神様にお参りした後、国の最高神である天照大御神が祀られている内宮に参拝するという流れなのです。

豊受大御神は天照大御神の食事を司る御饌都神(みけつかみ)でもあるため、まず外宮で豊受大御神にお参りして天照大御神の食事の用意をしてもらってから、内宮へ向かうという意味もあるとされています。

御朱印をいただく順番も、この参拝順序に合わせるのが望ましいでしょう。つまり、外宮の御朱印を先にいただき、その後内宮の御朱印をいただくという流れが理想的です。

伊勢神宮の御朱印がひどいと言われる理由

伊勢神宮の御朱印に対して「ひどい」「しょぼい」という評価がなされる理由には、いくつかの要因が考えられます。

理由1 デザインの簡素さ

伊勢神宮の御朱印
伊勢神宮の御朱印

最も大きな理由は、その極めてシンプルなデザインにあります。伊勢神宮の御朱印は、多くの神社で見られる華やかな装飾や絵柄はなく、墨書きと朱印のみで構成されています。

近年はカラフルな絵柄や季節限定のデザイン、切り絵御朱印など、個性的な御朱印が人気を集めています。全国では約584件の神社仏閣が切り絵御朱印を、304件がクリア御朱印を提供しているというデータもあります。そのトレンドとのギャップに落胆する人も少なくありません。

理由2 期待値の高さと現実とのギャップ

伊勢神宮は「日本の心」とも称される特別な神社です。そのため、訪れる参拝者は御朱印に対しても特別なものを期待しがちです。

実際に受け取る御朱印が極めて簡素なものだと、その期待が裏切られたと感じることがあります。特に、初めて伊勢神宮を訪れる人にとっては、このギャップが大きな失望となることもあるようです。

理由3 混雑と効率化による影響

伊勢神宮は年間を通じて多くの参拝者で賑わっています。例えば、令和元年(2019年)には内宮に約637万人、外宮に約336万人が参拝したというデータもあります。

そのため、御朱印の授与も効率を重視せざるを得ません。一人ひとりに時間をかけることが難しく、流れ作業のように感じることがあります。この点が、御朱印を「神聖なもの」として捉えている人にとっては不満の種となることがあるのです。

理由4 書き置きと書き手による違い

感染症対策などの理由から、伊勢神宮でも「書き置き」の御朱印が用意されることがあります1。この方法は手軽ですが、「その場で書いてもらう」という体験を重視する人にとっては、味気なく感じられることがあります。

また、御朱印は基本的に手書きのため、書き手によって字の美しさや雰囲気が異なります。同じ伊勢神宮でも、日や時間帯によって御朱印の印象が変わることがあるのです。

シンプルさに込められた意味

しかし、これらの「ひどい」と評価される理由は、実は伊勢神宮の御朱印の真の価値を理解していない視点からのものかもしれません。伊勢神宮の御朱印のシンプルさは、単なる手抜きではなく、伊勢神宮が大切にしてきた「無駄を省いた美学」の表れであり、神聖さと荘厳さを感じさせる要素です。

約2000年もの歴史を持つ伊勢神宮では、余計なものを排除し、本質を大切にするという考え方が受け継がれてきました。御朱印もその伝統に基づき、過度な装飾を施さず、シンプルなデザインを守っています。これは単なる美的センスではなく、「本質を見極める心」を大切にする伊勢神宮ならではの姿勢なのです。

御朱印を断られるケースもある?

伊勢神宮では、特定の状況下で御朱印を断られることがあります。

以下にその主なケースと対応策を紹介します。

最も一般的なのは、御朱印帳を持っていない場合や不適切な御朱印帳を使用した場合です。伊勢神宮では、御朱印帳を持たずにノートやメモ帳を差し出した場合、丁重に断られることがあります。また、御朱印帳には「寺院」のものと「神社」のもの、2種類があります。伊勢神宮では「お寺のものはお寺のもの、神社のものは神社のもの」としており、寺院の御朱印帳を差し出すと断られることがあります。

対応策としては、神社専用の御朱印帳を用意するか、その場で購入することをお勧めします。伊勢神宮では外宮の神楽殿や内宮の神楽殿、もしくは参集殿で御朱印帳(初穂料1,000円程度)を購入することができます。

伊勢神宮の御朱印は、授与時間が厳密に決められています。この授与時間外に御朱印を求めても、対応してもらうことはできません。神事や特別な行事のために、神職の方が一時的に御朱印の授与所を離れることがあります。この場合、御朱印の授与が一時中断されることがあります。

対応策としては、事前に公式情報で授与時間を確認し、時間に余裕を持って訪れることが大切です。また、神事が優先されるという神社の在り方を尊重し、時間を改めて再度訪れることも必要かもしれません。

まとめ:御朱印は形ではない

伊勢神宮の御朱印は、その簡素さゆえに「ひどい」「しょぼい」と評価されることがありますが、実はその背景には2000年の歴史と伝統、そして「本質を大切にする」という伊勢神宮の精神性が反映されています。

近年のSNS時代において「映える」御朱印が注目される中、伊勢神宮の御朱印は「Simple is Best!」という言葉で表現されるように、余計なものを削ぎ落とした美しさを持っています。御朱印の本来の意味は「参拝の証」であり、神仏とのご縁を示す大切なものです。伊勢神宮の御朱印は、その本質に立ち返らせてくれる存在といえるでしょう。

また、御朱印をいただく際には、いくつかのマナーや注意点があります。御朱印帳を持参すること、参拝後に御朱印をいただくこと、授与所でのマナーを守ることなど、基本的なことを押さえておけば、御朱印を断られるケースも避けられるでしょう。

伊勢神宮の御朱印は、一見するとシンプルで物足りなく感じるかもしれませんが、その簡素さの中にこそ、神聖さと格調高さが宿っています。御朱印集めを楽しむ中で、伊勢神宮の御朱印のような伝統的な様式のものにも目を向け、その奥深さを味わってみてはいかがでしょうか。

御朱印は単なるスタンプラリーではなく、参拝した証として心を込めていただくことが重要です3。御朱印帳を見返したときに、その神社での思い出や心境が蘇るような、意味深いものにしていきたいものです。伊勢神宮を訪れる際には、ぜひこれらの情報を参考に、心清らかに参拝し、その証として御朱印をいただいてください。

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