織田信長の肖像画まとめ|宣教師が描いた絵は本物なのか?

織田信長の肖像画まとめ|宣教師が描いた絵は本物なのか?

織田信長は歴史上の人物のなかでもトップクラスの人気者です。映画や漫画のみならず、ゲームのタイトルにもなっています。天下統一を目前に倒れたものの、その最初の礎を築いたリーダーとして後世もなお影響力を持っている信長はどのような顔だったのでしょうか?

この記事では、織田信長の肖像画をまとめています。また、「宣教師が描いたと伝えられている織田信長の肖像画は本物なのか?」という疑問にも言及しているので、織田信長について知りたい人たちは参考にしてみてください。

目次

織田信長の肖像画まとめ【作者別】

さて、織田信長の肖像画には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか?

ここでは、存在が確認されている織田信長の肖像画をまとめていきます。

織田信長の肖像画まとめ【作者別】

織田信長の肖像画1

作者:狩野宗秀

織田信長が亡くなってから1年が経過した後、長興寺に寄進された肖像画です。教科書などにも引用される代表的なものであり、現代人が「織田信長」という名前を聞いたときに、真っ先に思い浮かぶのが、この肖像画であると言えるでしょう。

織田信長の肖像画2

作者:不明

総見寺蔵の肖像画です。次男・織田信雄が信長を弔うために立てた寺院に納められたと言われています。作者はわかりませんが、織田信雄が描いたという逸話もあります。

織田信長の肖像画3

作者:狩野永徳(事実不明)

大徳寺蔵の肖像画です。狩野宗秀が描いた肖像画よりも顔が面長になっているのが特徴的です。

織田信長の肖像画4

作者:不明

神戸市立博物館蔵の肖像画です。信長が死んでからまもなく描かれたと言われており、生前の姿に最も近いという説があります。他の肖像画と比較すると、少々老いを感じさせる印象です。

織田信長の肖像画5

作者:不明

江戸時代に描かれたと言われる「織田信長初陣図」です。こちらは個人が所有していると言われています。聡明な雰囲気が漂っており、これから天下統一に向かう若き信長の凛々しい姿が描き出されています。

これらの肖像画を見ると、織田信長は鼻筋の通った容姿だった可能性が高いと考えられます。

いうまでもなく、当時は写真技術が存在しないため、肖像画から類推する以外に顔のイメージを把握する手段はないと言えます。その意味では、本物とは全くの別人だったとしても仕方ありません。それでも、共通の特徴が見出されていることは、織田信長の顔を想像する良いヒントになるかもしれません。

宣教師が描いた絵は本物なのか?

なお、織田信長の肖像画の中には、異質なものがひとつ存在します。それは、山形県天童市の三宝寺にレプリカが保存されている以下の肖像画です。まるで写真のようなリアリティがあり、本物の織田信長に最も近いと言われることもあるくらいです。

織田信長の肖像画6

果たして、こちらは本物の織田信長なのでしょうか?

遠藤周作の対論集『たかが信長されど信長』によると、「織田家ではこの絵が本人に最も似ている」と語り継がれていることが記述されています。その意味では、製作者が信長に会っていたのならば、本物に近い肖像画であると言えるかもしれません。

けれども、肖像画の背景を裏付ける史料が存在しないため、この絵が本物の信長であることを事実として語るのは無理があります。実際、イエズス会画派・セミナリオ教師のジョバンニ・ニコラオが描いたと言われていますが、その事実もまた明らかではありません。

したがって、別人である可能性も否定できないのです。とはいえ、他の肖像画でも特徴的に描かれている「鼻の高さ」や「面長な容姿」が共通していることから、本人に似ている可能性は少なからずあります。

織田信長はイケメンだったかもしれない

もし、ジョバンニ・ニコラオが描いたと伝えられる肖像画が本物だったとすれば、織田信長は目鼻立ちがはっきりとしたイケメンですよね。当時の男性と比較しても、織田信長は身長が高かったと言われていますから、風貌的にも威厳のある雰囲気だったのかもしれません。

写真という現実を切り取って保存する技術がない以上、「歴史上の人物がどのような容姿だったのか?」という疑問は絵を頼りに想像するしかありません。現代でもなお、人々から注目される信長ですから、その容姿を知りたいという気持ちはわかりますが、歴史の限界がここにあるわけです。

それでも、こうやって絵から何となくのイメージを想像するのは面白いですよね。死後、数百年が経過しても人々を魅了し続ける日本の歴史的人物が残した物語を思い浮かべるのにも、肖像画はとても役に立つものです。アートが歴史にもたらした現代への影響のひとつとも言えるかもしれませんね。

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この記事を書いた人

DEEP JAPAN QUEST編集部は日本文化に関する総合情報メディアを運営するスペシャリスト集団です。DEEP JAPAN QUEST編集部は、リサーチャー・ライター・構成担当・編集担当・グロースハッカーから成り立っています。当サイトでは、日本文化全般に関わる記事を担当しています。

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