新撰組の沖田総司は、その容姿がはっきりとわかっていません。だからこそ、写真を一度で良いから見たいと思った方たちもいるはずです。ネットでは沖田総司の写真が見つかったなんて嘘も囁かれることがありますが、本人を撮影したものは存在するのでしょうか?
この記事では、「沖田総司の写真は残ってないのか?」という疑問について言及しています。また、「本物が発見された」という嘘の話やイケメンだった可能性にも触れているので、沖田総司の見た目について知りたい人たちは参考にしてみてください。
沖田総司の写真は残ってない?
さて、新撰組の沖田総司を撮影した写真は残ってないのでしょうか?
残念ながら、沖田総司の写真は存在しません。したがって、本人の容姿はまだ不明なのです。
一時期は沖田家に残された文机に沖田総司の写真が1枚だけあったという噂がありました。けれども、郷土史家・谷春雄氏が調べたところ、写真は見当たりませんでした。その際に、ファンたちが勘違いをして「沖田総司の肖像写真が発見された」と騒ぎ立てたと言われています。
それくらい、本物の沖田総司の顔を拝みたい人たちがいるわけです。他の隊士の写真が見つかっているがゆえに余計に気になるのかもしれません。
本物発見の嘘話
「沖田総司の生写真が見たい」という欲求が存在しているがゆえに、ネット上では本物発見の嘘話が投稿されることがあります。
例えば、以下の写真は「本物の沖田総司である」と言われたことがありますが、全くの事実無根です。
今でもなお、Xなどのソーシャルメディアでは、これが本物の沖田総司が撮影された写真であると勘違いしている人たちもいます。この写真の出所は不明ですが、いずれにしても本人ではないことは確かです。
沖田総司の格好を真似た一般人なのか、あるいは演劇の役を務めた人なのかはわかりませんが、写真が昔の雰囲気を醸し出しているがゆえに勘違いされたのでしょう。
肖像画は孫を参考に制作された
なお、沖田総司の肖像画として広く知られている上記の画像は本人を題材に描かれたわけではなく、孫の沖田要氏を参考にして制作されたと言われています。どうやら、沖田総司の姉であるミツが要氏を「どこか総司の面影がある」と言ったことがきっかけになったようです。
イケメンだった可能性は低い
肖像画で描かれている沖田総司の容姿を見ると、イケメンである可能性は低いと言わざるを得ません。もちろん、人間のかっこよさは外見だけで判断されるものではありませんし、その評価基準は時代によっても異なります。ただ、少なくとも現代の若い女性が騒ぐようなイケメンではないと言えるでしょう。
谷春雄が新撰組の後援者だった「佐藤彦五郎のひ孫」という沖田総司とはかなり遠い人物を取材した際には、「背が高く、色黒で猫背のよく笑う人だった。ひら顔で目が細く、ひらめのような人だった」という証言を得ていますが、肖像画の特徴と重なりますよね。
本人からすればどうでもよい迷惑な話かもしれませんが、沖田総司のファンたちからすれば一度で良いから本物の写真を拝みたいという気持ちもあるのは事実です。
とはいえ、生写真がない以上、沖田総司の顔はわかりません。歴史的人物がコンテンツのキャラクターとしてリメイクされる時は容姿がイケメン風にアレンジされることから「本物の沖田総司も美男子だったに違いない」という妄想を抱くこともあるかもしれませんが、それを確かめる手段はないのです。
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