血液型には、A型、B型、O型、そしてAB型が存在します。なかでも、「AB型は少ない」と言われています。実際、自分の周囲にいる人たちに「血液型は何ですか?」と尋ねてみると、「AB型」と答える人は少ないはずです。しかしながら、どうしてAB型の人は少ないのでしょうか?
この記事では、AB型が少ない理由について説明しています。また、医療機関が公開している情報に基づいて、血液型の少ない順もまとめているので、血液型に興味のある人たちは参考にしてみてください。
AB型の割合
そもそも日本人の中でAB型に該当する人の割合は、どれくらいなのでしょうか?
一般的に、日本でAB型は全体の10%程度であると言われています1。
AB型の人が生まれるには、両親のうち一方がA型、もう一方がB型の遺伝子を持っている必要があります。具体的に言えば、AA或いはAO、BB或いはBOが組み合わさることでAB型が誕生するわけです。
もし、お父さんがAAのA型で、お母さんがBBのB型である場合、こどもは100%の確率でAB型になります。加えて、お父さんがAOのA型で、お母さんがBOのB型である場合、こどもがAB型になる確率は25%となるのです。
なお、AB型のRhマイナスは2000人に1人しか存在せず、非常に珍しい血液型として理解されています。医療機関では、Rhマイナスの血液は貴重なので一定のストックを用意しているものの、状況次第では足りなくなって別の病院に供給を要請することもあります。赤血球の有効期限が28日であることを考えると、AB型Rhマイナスは最も貴重な血液であると言えるでしょう。
AB型が少ない理由
しかしながら、どうしてAB型の血液型の人は少ないのでしょうか?
結論から言えば、全体に占めるB遺伝子の割合が少ないことからAB型が生まれる確率が低くなっていると言えます。具体的な数値で考えると、日本人の人口のうちA遺伝子は28%、B遺伝子は18%、O遺伝子は54%となっています。
わかりやすい例で考えると、Aのボールが3個、Bのボールが2個、Oのボールが5個あって2つの組み合わせを作るとき、AとBのボールのペアリングは最大2個しか作ることができません。そのため、AB型は確率的に出現する数が少ないのです。
日本でB遺伝子が少ないのは、島国という地理的特質が影響した可能性があります。すなわち、遺伝子の交流が限定されていたことで、A遺伝子とO遺伝子が多数派になる環境が形成されやすったと考えられるのです。
血液型の少ない順
それでは、改めて、それぞれの血液型を少ない順にまとめておきたいと思います。厚生労働省が公開する『ミニコラム』によれば、血液型の発言率は以下のとおりとなっています。
血液型の少ない順位 | 血液型 | 発現率 |
---|---|---|
1位 | AB型(rh-) | 0.05% |
2位 | B型(rh-) | 0.1% |
3位 | O型(rh-) | 0.15% |
4位 | A型(rh-) | 0.2% |
5位 | AB型(rh+) | 9.9% |
6位 | B型(rh+) | 19.9% |
7位 | O型(rh+) | 29.9% |
8位 | A型(rh+) | 39.8% |
上記の表を踏まえると、AB型のRhマイナスが血液型の中で最も珍しいタイプであると言えます。なお、Rhマイナスが少ない理由について知りたい方は以下の記事も読んでみてください。
世界全体で見てもAB型は少ない
世界全体で見ても、AB型の血液型に該当する人は少ないと言われています。例えば、アメリカではAB型rh+は全体の約4%、インドでも約8%しかいないのです2。その意味では、国際的には、日本はAB型の人口が比較的に多い国であると言ってよいでしょう。
とはいえ、全体で見れば、AB型は希少性の高い血液型であることに変わりありません。特に、Rhマイナスは2,000人に1人しかいない非常に珍しい血液型となっています。
何だか特別な存在のような気もするかもしれませんが、血液型によって決まる未来はありません。
日本人は血液型と性格を関連させたがる傾向がありますが、そこに科学的根拠は一切ないのです。それでも血液型が人格に影響すると信じるのは、複雑な人間関係を単純化して理解するのに役立つフレームワークだったからだと考えられます。
すなわち、自己中心的で嫌な人と出会った際に、その人の生い立ちなどの詳細を知ろうとするのではなく、「この人はB型だから自分勝手なのか」と理解したほうが楽なわけです。けれども、それは思わぬ誤解を生み出し、ブラッドタイプ・ハラスメントになるおそれがあるので、これからは注意したほうがよいかもしれませんよ。
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