血液型の中でもAB型は少ないことで有名です。特に、Rhマイナスは2,000人に1人しかいないと言われており、非常に珍しい血液型なのです。それに関連して、「AB型の人は頭がおかしい」という過激な意見が主張されることがあります。当事者からすれば、とんでもないことですよね……。
しかしながら、どうして「AB型は変わっている」と言われるのでしょうか?
この記事では、AB型は頭おかしいと言われる本当の理由を考察しています。また、「変人が多い」という偏見についてもまとめているので、血液型と冷静に向き合いたい人たちは参考にしてみてください。
AB型は頭おかしいと言われる本当の理由
さて、「AB型は頭おかしい」という偏見丸出しの意見が主張されるのは、どうしてなのでしょうか?
ここでは、胡散臭い心理学ではなく、冷静な視座からAB型が奇人として捉えられる本当の理由を3つの視点から考察していきます。
理由1 理解できないからAB型のせいにする
第1に、自分では全く理解できない行為に対して血液型のせいして納得するために、「AB型は頭がおかしい」と主張する人がいると考えられます。
私たちは他者との関わりの中で、「相手を理解しよう」と試みることがあります。特に、恋人や友人などの大切な人や、職場の先輩や同僚などの一緒に過ごす時間が長い人に対しては、自分なりに人柄について把握しようとするのは自然なことです。
けれども、相手が自分の想像を超えるような行動を取ったときに、一種のパニック状態に陥る人たちもいます。それがネガティヴなことであれば、「理解できない」と憤慨することもあるでしょう。
いくら考えても分からない状態が続くことでストレスも膨張していきますから、「AB型だからおかしい」という結論を出して思考を停止させているわけです。考えるのが疲れてしまう人にとって、血液型を理由にすることで楽になるまやかしのような効能があるのでしょう。
理由2 珍しいから変だと思い込んでいる
第2に、AB型が珍しい血液型であることから性格も変わっていると思い込んでいると推察されます。
先ほども述べたように、AB型は他の血液型と比べて希有なタイプです。日本では、AB型のRhプラスでも10人に1人、Rhマイナスなら2,000人に1人と非常に数が少ないんです。
あくまでも、数が少ないだけの話なのですが、「珍しい」という印象が性格にまで拡大解釈されて「変わっている」というイメージが抱かれやすくなっていると推察されるのです。
特に、自分の周囲にいるAB型の人たちが奇抜で個性的だった場合、「AB型=変な人」という思い込みがより一層強くなると考えられます。
理由3 血液型信仰が根付いている
第3に、日本社会には血液型信仰が根付いていることから「AB型」対するイメージが先行しているのでしょう。
いうまでもなく、血液型と性格を関連づける科学的根拠は存在しません。それにもかかわらず、日本では、A型は几帳面、B型はマイペース、O型はおおらか、といった血液型ごとに気質が割り当てられており、それらを信じている人たちがたくさんいます。AB型は「天才肌」と言われることが多く、裏を返せば「変人」という固定観念が普及しています。
その背景には、作家の能見正比古が戦前の民俗学者が研究していた血液型と気質の関係を考察を持ち出したことにより、国内で広がっていったと言われています1。気になる方は中古でも書籍が売っているので、読んでみてください。
AB型に「変人が多い」という偏見
AB型に「変人が多い」という偏見は日本特有の差別意識に違いありません。実際は、個人によって性格は異なりますし、几帳面なB型もいれば、おおらかなAB型もいるわけです。それにもかかわらず、血液型で人間の気質を決定づけるのはステレオタイプの歪んだ認識としか言いようがありません。
それでも、世の中には血液型から恋愛観や仕事観を占う人たちがいます。冷静に考えれば、それが如何に愚かな見方であるか気づくはずです。実際に、ネガティブなイメージを植え付けられている人たちもいますから、対人関係に悪害をもたらすこともあるはずです。
特に、「B型が自己中心的である」という見解は戯言です。筆者の祖母はB型ですが、だれにでも分け隔てなく愛情を注ぐ慈悲深い人間です。それにもかかわらず、B型の人間はエゴイスティックなんて言われたら悲しいですよね。
一方で、今やもう血液型診断はエンタメ的な位置付けてあるとも言えます。「血液型なんて関係ない」とわかりながらも、占いを楽しんでいる人たちもいるわけです。
奇抜な人がAB型だったに過ぎない
それでも、知り合いのAB型はぶっ飛んでいることから、「AB型が頭がおかしい」という考え方を信じている人たちもいるかもしれません。
しかし、それは奇抜な人がたまたまAB型だったに過ぎません。偶然にも、あなたの周りにいるAB型の人が個性的で変わり者だったとしても、それは血液型とは何ら関係ないのです。
血の性質ではなく、その人を見て中身を判断すべきです。そうではないと、目の前にいる人の本当の姿は一生わからないままでしょう。
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