みなさんのなかには、「献血に協力しよう」と考えている人たちもいるかもしれません。けれども、自分がAB型に該当する場合、全体割合に占める数が少ないことから「献血はいらないのかな?」と疑問に感じることもあるかもしれません。
この記事では、「献血でAB型はいらないのか?」という疑問に言及しています。また、AB型が輸血できる血液型や不足状況を調べる方法も解説しているので、これから献血を検討している人たちは参考にしてみてください。
献血でAB型はいらない?
さて、献血でAB型はいらないのでしょうか?
結論から言えば、献血でAB型は必要です。他の血液型と比べて珍しいからこそ、献血の協力が充足することで助かる命があると考えられます。事実、日本赤十字社では、AB型の献血への協力が呼びかけられることが幾度もあるんです。
令和5年1月22日から1月29日までの8日間において必要数の献血へのご協力をいただきましたが、医療機関からの輸血用血液製剤の需要が予測を上回り、さらなるご協力が必要な状況です。すべての血液型を必要としておりますが、特に「AB型」のみなさまのご協力が必要です。お近く血会場にて400mL献血にご協力お願いいたします!
日本赤十字社『AB型400mL献血へのご協力がいますぐ必要です』より引用
以上のことから、AB型に該当する人で献血に協力しようと考えている人は、是非お近くの献血センターに行ってみてください。
AB型が輸血できる血液型
なお、AB型が輸血可能な血液型は何なのでしょうか?
これに関しては、AB型の血を輸血できるのはAB型のみです。なお、輸血と受血の関係については、以下の表を参照してください。
受血者の血液型 | |||||
A型 | B型 | AB型 | O型 | ||
輸血者の血液型 | A型 | ◯ | × | ◯ | × |
B型 | × | ◯ | ◯ | × | |
AB型 | × | × | ◯ | × | |
O型 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
ただし、ABO方式の血液型分類で一致していたとしても、Rhプラスとマイナスが異なると輸血ができないケースがあります。具体的に言うと、Rhマイナスの人はRhマイナスの人でないと輸血できません。一方で、Rhプラスの人はRhマイナスの人からも輸血を受けることが可能です。
Rhマイナスの人に輸血できるのはRhマイナスの血液に限られますが(ただし、生命を脅かす緊急事態の場合は除きます)、Rhプラスの人には、Rhプラスの血液でもRhマイナスの血液でも輸血できます。
MSD家庭マニュアル『輸血の概要』より引用
献血の不足状況を調べる方法
献血をする際に、各血液型の不足状況を調べるにはどうすればよいのでしょうか?
これに関しては、日本赤十字社の公式HPにアクセスすると、トップ画面に献血の不足状況を示すハートマークのイラストが表示されており、血液型別の不足状況が一覧化されています。
なお、自分の住んでいる地域の状況を調べたい人たちは以下のリンクから該当するページにアクセスしてください。
北海道ブロック
東北ブロック
関東甲信越ブロック
- 日本赤十字社関東甲信越ブロック血液センター
- 茨城県赤十字血液センター
- 栃木県赤十字血液センター
- 群馬県赤十字血液センター
- 埼玉県赤十字血液センター
- 千葉県赤十字血液センター
- 東京都赤十字血液センター
- 神奈川県赤十字血液センター
- 新潟県赤十字血液センター
- 山梨県赤十字血液センター
- 長野県赤十字血液センター
東海北陸ブロック
- 日本赤十字社東海北陸ブロック血液センター
- 富山県赤十字血液センター
- 石川県赤十字血液センター
- 福井県赤十字血液センター
- 岐阜県赤十字血液センター
- 静岡県赤十字血液センター
- 愛知県赤十字血液センター
- 三重県赤十字血液センター
近畿ブロック
中四国ブロック
- 日本赤十字社中四国ブロック血液センター
- 鳥取県赤十字血液センター
- 岡山県赤十字血液センター
- 島根県赤十字血液センター
- 広島県赤十字血液センター
- 山口県赤十字血液センター
- 徳島県赤十字血液センター
- 香川県赤十字血液センター
- 愛媛県赤十字血液センター
- 高知県赤十字血液センター
九州ブロック
血液は人間の体からしか作られない
血液はまだ人工的に作ることができません。したがって、献血以外に血液が得る方法はないのです。また、輸血用血液は長期間の保存ができないので、一定の頻度で血液を集める必要があります。
血液は生きた細胞であるため、人間の体の中でしか造られず、まだ人工的に造ることができません。安全かつ有効な輸血療法を行うためには、皆様から献血していただくことが必要なのです。また、輸血用血液は長い間保存することもできません。輸血用の血液製剤の有効期間(採血後)は、赤血球製剤28日間、血小板製剤4日間、血漿製剤1年間となっています。
日本赤十字社『献血とは?』より引用
どの血液型の献血も原則として必ずだれかの役に立ちます。毎日のように手術を受ける人がいる以上、必要のない血液はないと言えるでしょう。「AB型の献血はいらない」というような意見を述べる人たちもいるかもしれませんが、どの血液も医療上必要のある大切な血なのです。
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