三種の神器を見た人はいる?見てはいけない理由や気になる在り処を解説

三種の神器を見た人はいる?見てはいけない理由や気になる在り処を解説

『日本書紀』に登場する三種の神器について「人生に一度で良いから見てみたい」と思っている人たちもいるはずです。けれども、三種の神器は非公開であり、「天皇ですら本物を見たことがない」と言われています。だからこそ、過去に実物を拝見した人の存在が気になりますよね。

この記事では、「三種の神器を見た人はいるのか?」という疑問について考察しています。また、見てはいけないと言われる理由や「どこにあるのか?」という在り処にも言及しているので、日本の歴史が好きな人たちは参考にしてみてください。

目次

三種の神器とは?

三種の神器 イメージ

三種の神器とは、八咫鏡(やたのかがみ)、草薙剣(くさなぎのつるぎ)、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)を意味しています。

日本神話で天孫降臨の際に、アマテラスがニニギに授けた宝物と伝えられています。具体的には、奈良時代に成立したと日本最古の歴史書である『古事記』や『日本書紀』に登場します。

現在でも「皇位とともに伝わるべき由緒ある物」として、代々の天皇から受け継がれています。

三種の神器を見た人はいる?

さて、これまでに三種の神器を見た人はいるのでしょうか?

結論から言えば、さまざまな逸話は存在するものの、過去に三種の神器を見た人がいたことを証明する記録はありません。そもそも現在の天皇ですら実物を見たことがないと言われています。事実、皇位継承の際には、剣・鏡・玉のレプリカが用いられているなど、非公開が徹底されています。

また、歴史的には、「三種の神器を見ようと試みた天皇はいた」と言われています。藤原実兼が残した『江談抄』には、冷泉天皇が神璽の箱を開こうとしたときのエピソードが記されています。また、鎌倉時代初期に成立した談話集『古事談』には、陽成天皇が三種の神器を見ようとしたと書かれています。

ただし、いずれも間一髪のところで失敗に終わっています。事実かどうかは不明ですが、いずれにしてもそれだけ三種の神器は見ることが叶わない秘すべき代物であることを説明していると言えるでしょう。

このような噂話は他にもあります。これに関しては、徳島文理大学教授八幡和郎氏が次のように発言しています。

見てはならないものとされているが、冷泉天皇が見ようとして止められたという話はあるがどうなのだろうか。草薙の剣は熱田神宮でこっそり見たという記録があり、銅剣のようだ。また、八尺瓊勾玉は壇ノ浦で拾った武士が開けたら複数個の玉があったという話もあり、昭和天皇の即位礼のときに手で持って運んだ人の証言によると子供の頭くらいの感触だったそうである。

アゴラ言論プラットフォーム『三種の神器を実際に見た人たちの証言』より引用(最終確認日:2024年4月2日)

上記の内容が本当であるならば、少なくとも八尺瓊勾玉を壇ノ浦で拾った武士と昭和天皇の即位礼のときに手で持って運んだ人が三種の神器を見た唯一の人物であると考えられます。とはいえ、三種の神器を見たことを証明する手段がない以上、客観的事実として説明することは難しいと言えます。

三種の神器を見てはいけない理由

しかしながら、どうして「三種の神器を見てはいけない」と言われているのでしょうか?

これに関しては、大きく2つの理由があると言えるでしょう。

理由1 神聖なものだから

第1に、三種の神器が皇位継承の証として天皇家が受け継いできた神聖なものだから見てはいけないと考えられています

歴代の天皇もまた三種の神器を秘すべきものとして決して見ることなく、命がけで守ってきたことを考慮すると、三種の神器を直に見ること自体が不遜なことであるという結論に至るのは不思議なことではありません。過去のしきたりを守ることが神聖さを尊重することに繋がるわけです。

理由2 天罰が下るから

第2に、三種の神器を見た武士に天罰が下ったという伝説があるため見てはいけないと言われています

具体的には、神鏡を見た武士たちは目が眩み、鼻血を流したと言われています。

ところが、箱を開けると、武士たちの目はたちまち眩み、鼻血がだらだらと流れ出したのである。その様子を見た平時忠(二位尼の弟)は、「それは内侍所(神鏡)の箱である。狼藉ではないか」と叫んだ。この言葉を聞いた源義経は、武士らを制止し、神鏡の入った箱を唐櫃に納めたという。

Yahooニュース『【中世こぼれ話】皇位継承の証である三種の神器。見てしまった者は、神慮により天罰を受けたという話』より引用(最終確認日:2024年4月2日)

とはいえ、現代科学文明からすれば、迷信と言わざるを得ない理由ですよね。実際のところ、三種の神器を拝見して、天罰の有無を確かめることができない以上、真偽を確かめることはできません。

おそらく、「三種の神器」が天皇即位に関わる宝物であることを考えると、常に盗まれる危険性があったと推察されます。したがって、「祟りがある」という噂を流すことで不用意に持ち出されないように努めたのではないでしょうか。それが当時のセキュリティ対策だったかもしれないわけです。

また、今よりも科学が進展していない時代において、「祟り」というワードはとてつもない恐怖を与える言葉だったとも考えられます。すなわち、「ノセボ効果」で具合が悪くなる人たちがいても、何ら不思議はありません。

三種の神器はどこにある?

なお、三種の神器は、具体的にどこにあるのでしょうか?

これに関しては、八咫鏡は「伊勢神宮」、草薙剣は「熱田神宮」、そして八尺瓊勾玉は皇居の「剣璽の間」に安置されています。

だれも見ることの許されない代物ですから門外不出であり、地震などの大災害が起きるようなことがない限り、場所は変わらないと考えられるでしょう。

絶対に見れない

三種の神器は決して見ることの叶わない代物です。現在の天皇ですら本物を見たことのないのですから、一般人が拝見することは絶対に無理であると言わざるを得ないでしょう。だからこそ、「見たい」という気持ちがより一層、強くなるのかもしれません。

改めて、三種の神器に関する取り扱いを考えると、日本という国の根幹には神話が今もなお存在することを実感します。もしかしたら、わたしたちが知らないとんでもない秘密が隠されている可能性もあります。そう思うと、歴史のロマンが膨らみますよね。

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この記事を書いた人

DEEP JAPAN QUEST編集部は日本文化に関する総合情報メディアを運営するスペシャリスト集団です。DEEP JAPAN QUEST編集部は、リサーチャー・ライター・構成担当・編集担当・グロースハッカーから成り立っています。当サイトでは、日本文化全般に関わる記事を担当しています。

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