2021年に出版された漫画家たつき諒氏の「私が見た未来 完全版」には、2025年7月に日本に大災害が起こるという予言が含まれていると言われています。この予言は80万部を超えるベストセラーとなった同書をきっかけに、ネット上で様々な憶測を呼んでいます。
特に沖縄地域は、南海トラフ地震による津波被害が予測されている地域として注目されています。本記事では、たつき諒氏の経歴から予言の内容、そして公的機関による沖縄の災害リスク予測データを分析し、科学的見地から2025年の災害リスクを検証します。
たつき諒の経歴
たつき諒(本名:竜樹諒)は1954年12月2日、神奈川県出身の日本の漫画家です。17歳の時に交通事故に遭ったことがきっかけで「家でできて、生きた証を残せ、顔を出さずに済む仕事」として漫画家を志しました。1975年、秋田書店の月刊プリンセス7月号に掲載された読み切り「郷ひろみ物語」で20歳でデビューし、以降多くの少女漫画や心霊をテーマにした作品を発表してきました。
たつき氏の予言に関わる活動は1978年頃から始まります。当時、漫画制作のためのアイデアノートを拡大し、睡眠中の夢の内容を記録し始めました。1985年からは「夢の記録」と題した夢日記を絵と文章で記述するようになり、これが後の「予言漫画」へと繋がっていきます。
1998年9月、作品「白い手」の発表を最後に「充電期間」として休業し、翌1999年に44歳で一旦引退しました。その後、2021年に不思議探偵社というウェブサイトで「たつき諒」を名乗る人物が現れ、週刊誌FRIDAYや月刊ムーへのインタビュー記事を掲載させるという事件が発生。さらに飛鳥新社から「私が見た未来」の復刻版を出版させようとしていたことが判明しました。
これに対し、本人は出版社と連絡を取り成り済まし犯の進める復刻版発行を中止させ、改めて本人承認のもと予言の解説など改訂を施した「私が見た未来 完全版」を2021年10月に発刊しました。2022年3月には67歳にして新たな漫画単行本を発刊し、作家活動を再開しています。
たつき諒が予言する2025年7月の大災害は沖縄?
たつき諒氏の「私が見た未来」が注目を集めたのは、1999年に出版された同書の表紙に「大災害は2011年3月」との記述があり、2011年3月11日に実際に東日本大震災が発生したことでした。この偶然により、たつき氏の予言に信憑性を持たせることになりました。
2021年10月に発売された「私が見た未来 完全版」では、2025年7月に新たな大災害が日本を襲うという予言が加筆されたとされています。日経現代によると、「富士山大噴火とか、日本に青い彗星が落ちてくると言われていますが、ほかにも再び巨大地震が起こって大津波が襲う、はたまた核ミサイルが飛んでくると一部で言われています」という憶測が広がっています。
さらに極端な説として、「北海道と八ケ岳以外は沈没するとまことしやかに言われ、”日本を離れる準備をしている”とか”八ケ岳に拠点を設けた”という人もいる」といった噂も出回っています。
しかし、これらの情報の多くは伝聞に基づくもので、実際に原書でどのように記述されているかは検証が必要です。特に沖縄に関する具体的な記述があるかどうかは明確ではありません。注目すべきは、これらの予言が科学的根拠に基づくものではなく、あくまで著者の夢の記録から生まれたものであるという点です。
公的機関の予測データを踏まえたリスク検証
では、実際に沖縄は2025年に大きな災害リスクに直面しているのでしょうか。公的機関の予測データを見てみましょう。
南海トラフ地震と沖縄への影響
南海トラフ地震は、静岡県の駿河湾から宮崎県の日向灘沖に至るプレート境界を震源域とする大規模地震で、約100〜150年間隔で繰り返し発生しています。気象庁の発表によると、この地震は今後30年以内に70〜80%の確率で発生すると予測されています。
2025年2月26日、沖縄気象台は定例説明会で、南海トラフ地震が発生した場合、県内に津波が最短50分弱で到達するとの予測を発表しました。津波の高さは最大3〜5メートルになる見通しです13。
沖縄県の公式資料によれば、名護市や豊見城市を含む16市町村が南海トラフ地震防災対策推進地域に指定されています。これらの地域は特に警戒が必要とされています。
沖縄県は平成25年度に地震被害想定調査を実施し、県内における大規模な地震・津波発生に伴う被害想定の見直しを行いました。この調査では、地震による自然現象の予測(地震動、液状化、土砂災害)や被害想定が市町村別に詳細に分析されています。
また、2025年3月11日には沖縄本島近海を震源とするマグニチュード3.5、最大震度2の地震が発生したという記録も確認できます。これは比較的小規模な地震ですが、沖縄地域が地震活動がある地域であることを示しています。
さらに、2025年11月の沖縄の潮位予測データを見ると、満潮時の最高潮位は約190cm程度となっています。津波が発生した場合、この基本的な潮位に加わることになり、低地での浸水リスクが高まります。
これらの公的データを総合すると、沖縄を含む日本の太平洋沿岸地域は常に地震・津波のリスクにさらされていると言えます。特に南海トラフ地震の発生確率が高まっている現状では、2025年という特定の年にこだわらず、常に防災意識を持っておくことが重要です。
しかし、たつき諒氏の予言のような「2025年7月5日に必ず大災害が起きる」という確定的な予測を科学的に裏付けるデータはありません。自然災害の発生は確率的なものであり、特定の日付を指定することは科学的には困難です。
防災意識を高めるきっかけ
たつき諒氏の予言に対して、水晶玉子氏は「私の占いでも、この時期は決してよい運気の時ではないと出ています」と述べつつも、「こういう星の動きの時に必ず天変地異や何かが起きているというわけでもない」と警鐘を鳴らしています。
重要なのは、こうした予言や噂に一喜一憂するのではなく、それをきっかけに防災意識を高め、実際の準備を進めることでしょう。水晶玉子氏も「せっかくなら日本は災害の多い国ですし、備蓄であったり、家族との連絡手段や集合場所の確認などリスクマネジメントをしておくのはよい時」と前向きな姿勢を示しています。

沖縄県は地震・津波編を含む地域防災計画を策定し、定期的に更新しています。このような公的な防災計画を確認し、自分の住む地域の避難場所や避難経路を把握しておくことは、いつ災害が起きても対応できる準備になります。
また、近年では防災シェルターの開発も進んでいます。「一人でも多くの命を救いたい」という思いから、津波や地震に耐えうるシェルターの開発が進められています。こうした技術の進歩も、災害への備えとして注目されています。
まとめ:デマ情報に惑わされないように注意
たつき諒氏の予言をめぐっては、著者本人が成り済まし被害に遭うなど、情報の混乱が生じています。インターネット上ではさらに誇張や曲解が加わり、科学的根拠のない噂が拡散されている状況です。
未来の災害を100%予測することは誰にもできませんが、科学的なデータに基づいてリスクを評価し、適切な備えをすることは可能です。沖縄を含む日本全体が自然災害のリスクを抱えている以上、特定の予言に惑わされるのではなく、日常的な防災意識と準備が最も重要であることを忘れてはなりません。
たつき諒氏の予言が当たるかどうかに関わらず、地震や津波のリスクが高い日本において、防災準備を怠らないことこそが、私たちの生命と財産を守る最善の方法なのです。特に沖縄など島嶼部では、災害時の孤立リスクも考慮し、より万全の備えが求められます。
2025年7月を待つことなく、今日から防災意識を高め、家族や地域での防災計画を見直してみてはいかがでしょうか。それこそが、あらゆる予言や予測を超えた、最も確実な「未来への備え」となるでしょう。

