ENFPが「性格悪い」と誤解される理由|16タイプ診断は信頼できる?

ENFPが「性格悪い」と誤解される理由|16タイプ診断は信頼できる?

ENFP(広報運動家型)の性格診断結果を見て、「もしかして自分は性格悪いのかも?」と不安になったことはありませんか。ネットで「ENFP 性格悪い」などと検索すると、思わずショックを受けるようなネガティブな情報が目につくことがあります。

自分のタイプが周囲から嫌われる性格だと言われていたら、誰でも心配になりますよね。しかし、性格タイプ分類だけで人の本当の性格の良し悪しを判断するのは早計です。16タイプ診断(MBTI)にはそもそも限界があり、結果の解釈を誤ると大きな誤解につながります。

本記事では、ENFPが「性格悪い」と感じられてしまう理由や背景を心理学の視点から分析し、16タイプ性格診断の信頼性や誤解の原因を紐解いていきます。性格タイプのラベルに振り回されず、正しく自分と向き合うヒントを探っていきましょう。

目次

ENFPが「性格悪い」と誤解される理由

まず、どうしてENFPはネット上で「性格悪い」と話題にされてしまうのか、その理由と背景を見てみましょう。ENFP型の人は一般に明るく社交的で創造的だと言われます。

しかしながら、その発言や行動パターンが原因で、周囲から誤解され「嫌われる理由」として語られてしまう場合があります​。代表的な背景には次のようなものがあります。

理由1 矛盾した言動や衝動的な行動

ENFPは熱意あふれるアイデアマンですが、次々と考えが浮かぶあまり話に一貫性がなくなりがちです​。さらに感情に流されて衝動的に動いてしまうこともあります​。

周りから見ると「言ってることがコロコロ変わる」「落ち着きがない」と映り、混乱させてしまうことがあります​。このため信頼を損ね、「ENFPは何を考えているか分からない」とネガティブに受け取られることがあるのです。

創造性と好奇心が強いため、一つのことに長く集中するのが難しく、途中で興味が他に移ってしまうことがあります。そのため「最後までやり遂げない」「無責任」と誤解されることもありますが、これは絶えず新しいアイデアが浮かぶプロセスゆえの特性であり、人格的欠陥ではありません。

理由2 約束を守らず無責任に見える

楽観的なENFPは細かい計画やルーティンが苦手で、つい約束事を忘れたり先延ばしにしてしまう傾向があります​。その結果、「不誠実だ」「信用できない」と感じられてしまう場合があります。

SNS上でも「ENFPはドタキャンしがち」「責任感が薄い」といった声が見られ、こうした問題行動が性格悪いと言われる一因になっています。

理由3 感情的で自己中心的に映る

ENFPは感受性が豊かで共感力が高い半面、自分の強い感情を優先しがちなところがあります​。興奮すると感情表現がオーバーになり、周囲に心理的負担をかけてしまうこともあります。

「すぐ感情的になる」「人の気持ちを考えていない」と受け止められると、「自己中心的だ」と誤解されることにつながります。

ENFPは嬉しい時も悲しい時も感情をストレートに表現します。その結果、職場や公的な場では不安定さや未熟さを感じさせることがあり、「気分で態度を変える人」と誤解されることもあります。実際には裏表のない誠実さの表れですが、状況によってはマイナスに捉えられることがあります。

理由4 気まぐれで何を考えているか分からない

興味の幅が広く好奇心旺盛なENFPは、行動パターンがその時の気分や興味対象によって大きく変わります。この気分屋な一面が「安定感がない」「掴みどころがない」と思われる原因になります。

加えて、人を喜ばせたい気持ちが強いあまり相手に合わせすぎて自分の意見をはっきり言えないこともあり、「何を考えているのか分からない」と周囲の反応がネガティブになることもあるのです。

理由5 広く浅い人間関係に見える

誰とでも友好的で交友関係を広げるENFPは、一人ひとりとの深い付き合いが疎かになりがちです。そのため周囲からは「八方美人」「薄っぺらい」と誤解され、友情や信頼が軽薄に見えてしまいます。ただしこれは意図的ではなく、多くの人と関わるエネルギーの豊富さによるものです。

以上のような特徴から、インターネットやSNSでは「ENFP 嫌われる理由」として様々なエピソードが語られています。例えば「ENFPの友達が約束を破ってばかりで嫌になった」といった体験談や、「職場にいるENFPの同僚が気分屋で振り回される」という愚痴投稿が散見されます。こうした情報が拡散されるうちに「ENFP=性格が悪いタイプ」というイメージが一人歩きし、検索候補にも「ENFP 性格悪い」が浮上してしまっているのです。

そもそも「16タイプ診断」はどれくらい信頼できるのか?

ここで立ち止まりたいのは、本当にその性格診断結果だけで「性格悪い」と決めつけてよいのかという点です。MBTIをはじめとする16タイプ性格診断は世界的に人気ですが、心理学の専門家の中にはその信頼性や科学的根拠に疑問を呈する声もあります。

そもそもMBTIとは、スイスの心理学者ユングのタイプ論に基づき、後にブリッグスとマイヤーズという人物によって作られた性格分類テストです​。しかし、この理論的背景にはいくつかの問題点が指摘されています。

まず、性格検査としての妥当性の低さです。妥当性とは「そのテストが本当に測りたいもの(性格特性)を正確に測れているか」を示す指標ですが、MBTIの結果は心理学で確立された別の性格検査とあまり相関しないという研究報告があります。例えば、ノルウェー経営大学の心理学者エイドリアン・ファーナム氏の研究では、MBTIのタイプ結果とビッグファイブに基づく検査(NEO-PI-R)の結果との相関が小さく、MBTIでは性格を十分に捉えきれていない可能性が示唆されています。

次に、結果の一貫性(信頼性)の低さも問題です。信頼性とは「テストを時間を置いて受け直したときに同じ結果が出るか」という指標ですが、MBTIでは受検のたびにタイプ結果が変わってしまうケースも少なくありません。実際、米国オクラホマ大学のケン・ランドール氏らによる複数研究の分析でも、MBTIの4指標のうち判断(Thinking)vs情感(Feeling)の軸の信頼性が低いと報告されています​。

もし昨日はENFPだったのに今日受けたらENTPになった…というように結果が変わるようでは、その診断を元に「あなたはこういう人間だ」と決めつけることに無理があります​。

さらに、MBTIの根本にあるユングのタイプ理論自体が客観的データに基づいていない点も指摘されています​。ユングのタイプ論は彼自身の臨床経験や洞察に基づいた仮説であり、ビッグファイブのように統計的手法で導かれたものではありません。

そのため現代の心理学では、白黒はっきりタイプ分けする類型論よりも、連続する数値で性格特性を測る特性論(例:ビッグファイブ)の方が主流となっています​。実際、現在は誠実性や協調性など複数の特性に着目し、各特性の強弱で個人の性格を表すアプローチが一般的です​。

「ENFPだから性格が悪い」という決めつけ自体が科学的には根拠薄弱だと言えます。「ENFP 診断 当たらない」MBTI 根拠ない」といった指摘があるように、16タイプ診断の結果をそのまま鵜呑みにすることには注意が必要なのです​。

MBTIの本来の目的はあくまで自己理解を深めたり他者との違いを認識するためのツールであり​、人を型にはめて評価するための烙印ではありません。ENFPと診断されたからといって、それが直ちに「あなたの性格が悪い」という証明になるわけではないのです。

「ENFP 性格悪い」というラベルに縛られない

「ENFPは性格悪い」といった評判が生まれる背景には、16タイプ性格診断の結果に対する過度な一般化や誤解があることがわかりました。確かにENFP的な行動パターンゆえに周囲から否定的に見られてしまう場面はありますが、その多くは性格タイプに対するステレオタイプな見方からくる誤解にすぎません。

心理学的に見ると、MBTIなどのタイプ分類には限界があり、人の性格を16通りに割り切れるものではありません​。「ENFP 性格悪い」というラベルに縛られないことが何より重要です。自分や他人を理解する際には、性格診断の結果だけで判断するのではなく、その人固有の背景や気持ちに目を向けましょう。

ENFPと診断された自分自身の個性も、短所ばかりではなく数多くの長所に満ちています。固定的なタイプ像にとらわれずに柔軟に自己理解を深めれば、「性格が悪いかも…」という悩みも和らいでいくはずです。自分の個性を前向きに受け入れて伸ばしつつ、相手の個性も尊重することで、タイプの違いを超えた良好な人間関係を築いていきましょう。自分らしさを大切にしながら周囲と歩調を合わせるその先に、きっとより豊かなつながりが生まれるはずです。

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この記事を書いた人

DEEP JAPAN QUEST編集部は日本文化に関する総合情報メディアを運営するスペシャリスト集団です。DEEP JAPAN QUEST編集部は、リサーチャー・ライター・構成担当・編集担当・グロースハッカーから成り立っています。当サイトでは、日本文化全般に関わる記事を担当しています。

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