硫黄島に人は住んでいるのか?上陸禁止の理由と観光の可否を解説

硫黄島に人は住んでいるのか?上陸禁止の理由と観光の可否を解説

渡辺謙や二宮和也が出演する『硫黄島からの手紙』で注目された小笠原諸島の硫黄島に興味を持っている人たちもいるはずです。太平洋戦争時にアメリカ軍と激しい戦いを繰り広げた戦地として知られる硫黄島ですが、日本に返還された後はどうなっているのでしょうか?

この記事では、「硫黄島に人は住んでいるのか?」という疑問について考察しています。また、硫黄島への上陸が禁止されている理由や観光の可否にも言及しているので、興味のある方たちは参考にしてみてください。

目次

硫黄島の基本情報

硫黄島は東京都小笠原村に属し、東京から南約1,200キロメートルに位置する島です。面積は約23平方キロメートルで、最高地点は摺鉢山(標高169メートル)です。

第二次世界大戦中、1945年に激しい戦闘が行われた「硫黄島の戦い」の舞台として知られています。戦後、1968年にアメリカから日本に返還され、現在は自衛隊が駐屯しています。戦争の記憶を伝える重要な場所であり、毎年戦没者慰霊祭が行われています。

硫黄島に人は住んでいるのか?

さて、現在硫黄島には人は住んでいるのでしょうか?

結論から言えば、硫黄島に人は住んでいません。1968年6月12日に公布された「南方諸島とその他の諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定」で小笠原諸島が返還された後でも、旧島民が帰還することは叶いませんでした。今でも民間人の上陸が禁じられていますから住民が増えることはないでしょう。

現在は、自衛隊とその関係者のみが在留しています。これに関しては、小笠原村の公式HPでも次のように記述されています。

硫黄島は、日本復帰後も火山活動などによる自然条件が厳しいことから、旧島民の帰島は実現せず、現在は自衛隊及びその関係者だけが在島しています。

小笠原村公式HPより引用

戦後から70年以上が経過する現在、硫黄島に縁のある人たちは少しずつ減ってきています。

硫黄島の上陸が禁止されている理由

しかしながら、一般人が硫黄島に上陸することを禁止されているのは、どうしてなのでしょうか?

これに関しては、硫黄島全体が国防などに関わる基地として活用されているため、、民間人の立ち入りを禁止しています。外部の人間が自由に出入りできるような環境で有事に備えた取り組みを進めることはできませんよね。万が一、スパイが入島すれば、日本の安全が脅かされてしまうことにもなりかねません。

とはいえ、硫黄島で暮らしていた人たちからすれば、「自分の故郷に戻りたい」という願いを叶えることができないのは悲しいことですよね。一応、東京都では、遺族向けに硫黄島の戦没者追悼式を開いており、現地に行く機会はあります。

また、報道関係者が硫黄島を取材する機会はあると言われています。

硫黄島で観光できるのか?

残念ながら、硫黄島は観光目的で訪れることはできません。日本の防衛省が管理しており、現在も自衛隊が駐屯しています。そのため、一般人が自由に訪れることはできず、特別な許可が必要です。もし、どうしても「硫黄島に行ってみたい」と思うのならば、自衛隊員或いは報道関係者になるしかありません。

なお、周辺地域の小笠原諸島は有名な観光名所であり、人も住んでいます。父島と母島で2,500名程度の人口を持っており、中長期的に微増していると言われています。興味のある人たちは一度、訪れてみることをおすすめします。

実のところ、日本国内では硫黄島と呼ばれる場所が二つあります。ひとつは本記事で紹介している太平洋戦争の戦地となった硫黄島です。もうひとつは鹿児島県にある「硫黄島」です。紛らわしいですが、後者は人口100名程度で観光可能です。

硫黄島には行けない

硫黄島は『硫黄島からの手紙』という映画によって国内でも広く知られるようになりました。きっと、渡辺謙と二宮和也の迫力ある演技を見て、強い関心を抱くようになった人たちもいるはずです。

しかし、民間人は硫黄島に行けません。「日本の国土なのに自由に行けないなんておかしい」と思う人たちもいるかもしれませんが、硫黄島が日米の国防に関わる重要な役割を担ってくれていることで活かされている地域や人もいるのです。

もちろん、当時、硫黄島から出ていかなければいけなくなった人たちの気持ちを考えると、こんなことを言ってよいわけがないのですが、終戦から長い年月が経過した今、「住まいとしての硫黄島」が実現する可能性は基本的にないと言えます。

「故郷に住む」という人間の権利は奪われてよいわけではないものの、戦争が一度、起きれば現代を生きる私たちもまた歴史の延長戦上に存在している以上、その影響を受けざるを得ないのです。

硫黄島に関するおすすめ書籍

硫黄島に興味のある人たちは以下の書籍や資料を見てみてください。

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この記事を書いた人

DEEP JAPAN QUEST編集部は日本文化に関する総合情報メディアを運営するスペシャリスト集団です。DEEP JAPAN QUEST編集部は、リサーチャー・ライター・構成担当・編集担当・グロースハッカーから成り立っています。当サイトでは、日本文化全般に関わる記事を担当しています。

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