日本の国旗の意味をわかりやすく解説!気になる由来や似ている国との違い

日本の国旗の意味をわかりやすく解説!気になる由来や似ている国との違い

だれしもが一度は目にしたことのある日本の国旗は、そもそも何を意味しているのでしょうか?

日本人だったとしても、自分が住んでいる国については案外わからないものです。とはいえ、海外に住んでいる人たちから「あなたたちの国旗は何を意味しているの?」と聞かれたときに、何も答えられないのは寂しいことのようにも感じます。

この記事では、「日本の国旗は何を意味しているのか?」という疑問について考察しています。また、気になるデザインの由来やパラオやバングラディシュのような国旗のデザインが似ている国との違いも説明しているので、日の丸の意味を改めて知りたい人たちは参照してみてください。

目次

日本の国旗は何を意味しているのか?

日本の国旗

さて、日本の国旗は何を意味しているのでしょうか?

日本の国旗は、白地に赤い丸が表現されている非常にシンプルなデザインです。現代では、白は「純潔」や「神聖」を表しており、日の丸は「感謝」や「博愛」を象徴する「太陽」を意味しています。これに関しては、一般財団法人日本文化興隆財団の公式サイトでも次のように言及されています。

「日の丸」の白地に赤い丸が付された単純明快なデザインは、素直な心(白)と「日出る国」の象徴である太陽(赤)を表現したもので、平和への願いと感謝の気持ちがこめられています。

一般財団法人日本文化興隆財団公式HP『国旗と国歌の基礎知識』より引用(最終確認日:2024年3月19日)

無論、時代に応じて日の丸の国旗が背負っていた意味合いは異なります。今現在においては、日本の国旗は「淀みのない心に浮かぶ博愛の精神」という解釈が与えられているのです。

日本の国旗は何に由来しているのか?

とはいえ、どうして日本の国旗には、白地に日の丸のデザインが採用されているのでしょうか?

端的に言えば、聖徳太子が遣隋使に託した国書に我が国を「日出づる国」と表現したことに由来していると考えられます

隋との関係において、当時の日本をまだ「国」として認められていませんでした。そのため、聖徳太子は『日出処の天子、書を日没する処の天子に致す。つつがなきや…』としたため、双方が対等の国であることを示したのです。

加えて、諸説はあるものの、日本の国旗と同じ「日の丸」のデザインは平安末期の源平が栄えた時代から使われており、戦国時代に入ると、武田、上杉、伊達氏などの武将たちが日の丸を掲げていたようです。

おそらく、太陽は戦に勝利をもたらす縁起物として意識されていたのかもしれません。

江戸時代になると、「日の丸」は幕府の公的な印として使われ始めました。そして幕末になると、自国と外国の船を識別するのに広く用いられるようになりました。面白いことに、当時の農民もまた田植え踊りや民俗芸能で日の丸が施された扇子を使っていました。

以上のことからも、古くから「日の丸」は日本人にとって自国を表現したり、祝い事の願いを託したりするのに使われていたデザインだったのです。その後、明治政府は太政官布告57号「郵政商船規則」で「日の丸」を国旗として定めています。

現在は、『国旗及び国歌に関する法律』で日本の国旗が法的に定められています。

日本の国旗は誰が作ったのか?

なお、現在、使用している日本の国旗は、誰が作ったのでしょうか?

薩摩藩主・島津斉彬

これに関しては、1853年11月に薩摩藩主・島津斉彬が日本の国旗の原型を作ったと言えるでしょう。島津は幕府に大船・蒸気船建造の申請を行う際に、日本船の総印として白い帆に朱の日の丸を使ったのです。

さらに、島津は「日の丸」を日本全体の船印にするよう幕府に進言し、1854年には、日の丸を日本全体の船印とする旨が全国各地で発表されました。それによって、「日の丸」が日本を象徴する形になっていったと考えられます。

なお、日本の国旗を定義した人は1964年の東京オリンピックで大会組織委員会国旗担当を務めた吹浦忠正です。吹浦は当時、学生だったのにもかかわらず、国内でも有名な国旗研究者でした。

日の丸の色が赤であることはたしかであるものの、具体的なカラーコードは定められていませんでした。そのルールを決めたのが吹浦だったのです。当時の様子については笹川スポーツ財団による取材に詳しく記載されているので、気になる方は参照してみてください。

日本の国旗と似ている国旗との違い

パラオとバングラディシュの国旗

なお、日本の国旗はパラオとバングラディシュと非常によく似ています。果たして、これらの間に具体的な違いは存在するのでしょうか?

パラオとの違い

パラオとの違い

パラオと日本の国旗はデザインこそよく似ているものの、意味合いは異なります。

パラオの国旗に使われている青は太平洋の海を表現しています。これは外国の支配から主権を取り戻したことを象徴しています。かつてパラオはスペインやドイツから植民地支配を受けていたのです。

そして、黄色の丸は満月で愛と平和を表現しています。この点は少し似ていますね。満月はわざと中心を外してデザインされており、これは日本に対する礼儀を重んじたためであると言われています。

バングラディシュとの違い

バングラディシュとの違い

バングラディシュの国旗もまた日本とよく似ています。

バングラディシュの国旗に使われている緑は「若々しさ」を表現しています。そして、紅丸はパキスタンからの支配に終止符が打たれて、独立日の夜明けに昇った太陽を示しているのです。パラオと同様に、自由の始まりを表現しているのは面白いですよね。

また、バングラディジュの国旗を決める際に、バングラデシュ初代大統領のシェイク・ムジブル・ラフマン氏は日本の国旗を参考にしていたようです。旭日は希望の始まりを彷彿とさせますから、独立した国にとっては非常によいモチーフになると考えられます。

太陽を掲げる国旗

日本の国旗は太陽を掲げる美しいデザインが施されています。聖徳太子が自国を「日出づる国」と表現したように、私たちにとって「太陽」は特別な存在です。大地に恵みを与え、作物を実らせるのも太陽であり、暗闇を照らすのもまた太陽です。

考え方や解釈によっては日の丸にいろんな意味を与える人たちもいます。けれども、総じて私たちの国旗は太陽を掲げています。だからこそ、思想の違いに縛られて分断を引き起こすのではなく、太陽のごとく一切を分け隔てなく照らす大らかさを持ち続けていたいものです。

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この記事を書いた人

DEEP JAPAN QUEST編集部は日本文化に関する総合情報メディアを運営するスペシャリスト集団です。DEEP JAPAN QUEST編集部は、リサーチャー・ライター・構成担当・編集担当・グロースハッカーから成り立っています。当サイトでは、日本文化全般に関わる記事を担当しています。

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