Rhマイナスの日本人が少ない理由|変わり者や天才が多いのは本当なのか?

Rhマイナスの日本人が少ない理由|変わり者や天才が多いのは本当なのか?

「Rhマイナス」と聞くと、非常に珍しい血液型であると思う人たちも多いはずです。事実、日本人には、Rh因子のない血液型に該当する人たちは稀であり、200人に1人しかいないと言われています。

しかしながら、そもそもRhマイナスの日本人が少ないのは、なぜなのでしょうか?

この記事では、Rhマイナスの日本人が少ない理由について考察しています。日本人の血液について興味のある人たちは参考にしてみてください。

目次

RHマイナスとは?

Rhマイナス(Rh陰性)とは、赤血球の表面にRh因子という特別な「たんぱく質」がない血液型のことを意味しています。

地球上に存在する人たちの約15%がRhマイナスと言われていますが、日本では非常に珍しいと言われています。特に、AB型のRhマイナスは0.05%しかいません。これに関しては、日本赤十字社の兵庫県赤十字血液センターの公式HPで次のように記載されています。

日本人ではRhマイナスは200人に1人、AB型は10人に1人ですから、同じAB型でRhマイナスの人は2000人に1人です。
日本赤十字社公式HPより引用

なお、Rh因子は、病院での輸血や赤ちゃんを産むときに大切です。例えば、Rhマイナスの人にRhプラスの血液を入れると、体がびっくりして攻撃しようとすることがあります。だから、Rh因子の違いに気をつけて、同じタイプの血液を使うようにしているわけです。

RHマイナスの日本人が少ない理由

それでは、どうしてRHマイナスの血液型が持っている日本人が少ないのは、どうしてなのでしょうか?

その理由は大きく2つあると考えられます。

理由1 Rh陽性が優性である

第1に、Rh陽性がRhマイナスに対して優性の特徴を持っているためです

すなわち、両親のうち一方がRh陽性である場合、こどもはRh陽性になる確率が極めて高いのです。日本人の大半がRh陽性ですから、劣性のRhマイナスが発現しづらいのは生物学上の道理であると言えます。

遺伝子学的な「優性」とは、対立する形質と並んだ時により強く発現する性質を持っていることを意味しています。現在では、優劣という評価のイメージを排除するために、優性は「顕性」、劣性は「潜性」と呼ばれています。

理由2 島国で遺伝子の交流が少なかった

第2に、日本が島国であることはRhマイナスの血液型が日本人に少ない理由のひとつです

日本列島は長い間、他の大陸から地理的に孤立していたので、他の地域から異民族がやってくることは滅多にありませんでした。そのため、遺伝子の交流が非常に限定されていたのです。その結果、元から日本人に多かったRh陽性の遺伝子が多数派を占める環境が生まれたと考えられます。

Rhマイナスに変わり者や天才が多いのは本当なのか?

なお、「Rhマイナスに変わり者や天才多い」と言われることがありますが、本当なのでしょうか?

結論から言えば、Rhマイナスだから変わり者や天才であるとは限りません。実のところ、血液型と性格に関係があると信じているのは日本人くらいなのです。これに関しては、九州大学大学院デザイン人間科学部の妹尾武治准教授が次のように述べています。

心理学者をしていると年に何度か「血液型診断」についてよく質問される。血液型診断とは、血液型のタイプであるA, B, AB, Oの4パターンごとに典型的な性格特性があるという言説のことである。はじめに結論を言ってしまえば、血液型診断を支持するような科学的なデータは一切無く、血液型診断は全くもって根拠の無いエセ科学である。
びVビよみもの『血液型診断って本当!?』より引用

上記の引用を考慮すれば、変わり者や天才と呼ばれている人がたまたまRhマイナスだっただけであり、血液型が性格を決定づけることはないと言えます。そのため、Rhマイナスの人たちに対して、一般的な感覚とかけ離れているという偏見を持つのは間違った考え方なので注意してください。

日本では、血液型占いが人気です。A型は几帳面、B型は自己中心的などそれぞれのタイプに応じて気質が割り当てられていますが、それは迷信なのです。

両親がRhプラスでも生まれてくる?

みなさんのなかには、両親がRhプラスなのにもかかわらず、自分がRhマイナスで不安を抱えている人たちもいるかもしれません。「もしかしたら、自分は養子なのかもしれない」と韓国ドラマのようなセンシティブな設定を想像する方もいるでしょう。

実のところ、お父さんとお母さんがRhプラスでも、こどもがRhマイナスとして生まれてくる可能性はあります。具体的に言うと、Rhプラスの人はDD(Rhプラスのみ)とDd((RhプラスとRhマイナスの両方の遺伝子を持つ)に分かれています。

両親がともにDdに分類される場合は、こどもがRhマイナスになる確率は25%なのです。したがって、自分だけRhマイナスだからといって不安になる必要はありません。

Rhマイナスは中長期的に減っていくかもしれない

Rhマイナスの日本人が少ない本質的要因は、遺伝子がRhプラスに対して潜性であることに起因していると考えられます。200人に1人しかいないことを考えると、長い目で見た時に日本人からRhマイナスの人たちはいなくなってしまうかもしれません。

怪我をした時に、希少性の高い血液型の人たちは輸血の心配があります。自分の血液型を理解したうえで、医療環境が整った場所での生活を選ぶことも大切なことです。これを機会に、Rhマイナスが日本人に少ないという事実から最適な選択をしましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

DEEP JAPAN QUEST編集部は日本文化に関する総合情報メディアを運営するスペシャリスト集団です。DEEP JAPAN QUEST編集部は、リサーチャー・ライター・構成担当・編集担当・グロースハッカーから成り立っています。当サイトでは、日本文化全般に関わる記事を担当しています。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次