ISFPとENFPが似ている理由と違い|恋愛や友情の相性を解説

ISFPとENFPは、MBTI性格診断で示される16タイプのうちの2つです。一見すると「ISFP(内向型・感覚型・感情型・探索型)」と「ENFP(外向型・直観型・感情型・探索型)」は対照的な性質を持つように思えます。しかし実際には、「性格が似ている」と感じる人も少なくありません。

実際、ISFPとENFPの友人同士で会話のノリや価値観が不思議と合うと感じた経験を持つ人もいます。なぜ、異なるはずのISFPとENFPが似ていると言われるのでしょうか?

本記事では、その理由を心理学的な観点から探り、両者の性格特性における共通点を解説します。また、具体的な事例を交えながらISFPとENFPの違いにも触れ、恋愛関係や友情における相性についても考察します。

目次

ISFPとENFPが似ていると言われる理由

ISFPとENFPは一見すると異なるタイプですが、いくつかの共通点があり、「似ている」と感じられることがあります。特に両者は感情(Feeling)を重視する点柔軟性(Perceiving)のある生き方という2つの性質を共有していることが大きな理由です。

理由1 感情を重視して直感的なコミュニケーションを取る傾向がある

ISFPとENFPはどちらも、人との関わりにおいて感情を大切にするタイプです。感情型(Fタイプ)であるため、相手の気持ちに共感し、心の通ったコミュニケーションを取ろうとする傾向があります。

例えば、友人が落ち込んでいるとき、ISFPもENFPも自分のことのように心配して寄り添うでしょう。両者とも相手の立場に立って考えられるため、押し付けがましい話し方をせず、直感的に相手の感情を汲み取った伝え方ができます。

ちなみに、MBTIの心理機能で見るとISFPとENFPはいずれも内向的感情(Fi)が強く、感情に敏感で本音の付き合いを重視します。そのおかげで、初対面でも飾らずに接し、不思議と早く打ち解けることが多いのです。

理由2 自由を愛し、型にはまらないライフスタイルを求める

両者に共通するもう一つの点は、自由を愛する精神です。ISFPもENFPも、決まった型にはまることを嫌い、柔軟で自分らしいライフスタイルを追求します。

例えば、学校や職場で「これが規則だからこうしなさい」と一律なルールを押し付けられると、どちらのタイプも窮屈に感じやすいでしょう。

ISFPは自分のペースで物事を感じ取りながら動くことを好み、ENFPは新しいアイデアや可能性を求めて行動することが好きです。アプローチは異なりますが、「自分の価値観に沿って生きたい」という思いは共通しています。

理由3 創造的な活動やアートに強い関心を持つ

ISFPとENFPは、創造性に富んだタイプである点でも似ています。具体的には、アートや音楽、文学といった創作活動に興味を示したり、自分独自の表現方法を追求したりする傾向があります。

ISFPはしばしば「アーティスト気質」と言われ、絵を描いたり楽器を演奏したりと五感を通じて自分の感じたことを表現するのが得意です。一方のENFPも想像力が豊かで、新しい物語を考えたり人を楽しませるアイデアを次々と思いつく発想力に優れています。

例えば、同じイベントに参加したとき、ISFPはその場の雰囲気や音・景色からインスピレーションを受けて何か作品を作りたくなるかもしれません。一方ENFPは、出会った人々との会話や経験から斬新なアイデアを得て、「次はこんなことをやってみたい!」と未来の計画に結びつけるかもしれません。

方向性は違っても、クリエイティブであることに喜びを感じる点は共通しており、そのためお互いに話が合ったり、一緒にいて刺激し合える関係になりやすいのです。

ISFPとENFPの違い

共通点が多いISFPとENFPですが、もちろん明確な違いも存在します。性格タイプのアルファベット4文字のうち異なっている「IとE」「SとN」の部分が、両者の性格傾向の違いを生み出しています。ここでは、主な相違点を3つの視点から解説します。

その1: ISFPは内向型、ENFPは外向型でエネルギーの向きが異なる

ISFPとENFPの最大の違いは、エネルギーの向け方です。ISFPは内向型(Introvert)で、自分の内面からエネルギーを得る傾向があります。

人と長時間関わった後は一人の時間で充電するタイプで、静かな環境で趣味に没頭したり、自分の気持ちを整理する時間を大切にします。これに対しENFPは外向型(Extrovert)で、周囲との交流から活力を得ます。にぎやかな場所や人との会話で刺激を受けて元気になるタイプで、新しい出会いやイベントに積極的に参加するのを好みます。

具体例: 例えば休日に、ENFPは友人を誘ってバーベキューを企画しがちですが、ISFPは家で静かに映画を観て過ごしたいと感じるかもしれません。このように、ENFPは人と賑やかに過ごすことでリフレッシュしますが、ISFPは一人静かに過ごすことでエネルギーを回復させる傾向があります。

その2: ISFPは現実志向、ENFPは未来志向で思考スタイルが異なる

2つ目の違いは、物事を捉える思考のスタイルです。ISFPは感覚型(Sタイプ)で、五感から得られる現実的な情報を重視します。今この瞬間に起きている事実や自分が感じていることにフォーカスし、具体的で実践的な判断を下すことが多いでしょう。

それに対しENFPは直観型(Nタイプ)で、目に見えない可能性や未来の展望を重視します。今目の前にないアイデアや将来起こり得ることを想像して行動する傾向が強く、抽象的な考えやアイデアを膨らませるのが得意です。

具体例: 例えば何か新しいプロジェクトが始まったとき、ISFPは目の前の具体的なタスクに着実に取り組もうとします。一方、ENFPは将来の可能性に思いを巡らせ、「こんな展開もできるのでは?」と大胆なアイデアを提案するかもしれません。

その3: 対人関係の築き方や人付き合いの幅が異なる

3つ目の違いとして、人間関係の広げ方・深め方が挙げられます。ENFPは社交的で誰とでもすぐに打ち解けられるため、知り合いや友人の幅がとても広い傾向があります。初対面の人とも積極的に話し、気が付けば友達の友達…といった形で交流関係をどんどん広げていくでしょう。

一方、ISFPは限られた人間関係の中で深い絆を築くタイプです。誰とでもすぐ仲良くなるというよりは、少人数の親しい友人や家族との時間を大切にします。初対面では控えめで人見知りに見えることもありますが、一度心を開いた相手には誠実に向き合い、長期的な信頼関係を築こうとします。

具体例: 例えば新しいサークルに参加した場合、ENFPは初対面の人とも積極的に話してすぐに知り合いを増やします。それに対してISFPは少しずつ会話に加わり、気の合う少人数と親しくなるでしょう。結果として、ENFPは交流の輪を広げ、ISFPは信頼できる親友を見つける、といった違いが表れます。

恋愛や友情における相性

ISFPとENFPがお互いに持つ共通点と相違点を踏まえると、恋愛関係や友情においてどのような相性になるのかが気になるところです。ここでは、恋人同士と友人関係の場合に分けて、それぞれの相性の特徴を見てみましょう。

恋愛の場合

ISFPとENFPの組み合わせは、恋愛において情熱的でお互いを刺激し合える関係になりやすいと言えます。ENFPの持つ明るさや冒険心は内向的なISFPに新鮮な刺激を与え、逆にISFPの穏やかで思慮深い優しさはENFPに安心感をもたらします。

互いにない部分を補完し合うため、理想的なパートナーシップを築ける可能性があります。さらに、どちらも相手の感情に敏感で思いやりがあるため、恋人同士として深い心理的なつながりを感じることができます。記念日やサプライズなどクリエイティブな演出で盛り上げたり、お互いの夢や趣味を尊重し合ったりと、ロマンチックな関係を楽しめるでしょう。

しかし一方で、異なる気質からくる衝突の可能性もあります。例えば、ENFPは自分の思いを言葉で伝えたがり、ISFPは言葉より行動や雰囲気で愛情を示そうとします。そのため、愛情表現にズレを感じて戸惑うこともあります。また、ENFPが将来の計画や理想を語っても、ISFPは「今ここ」に集中するあまり温度差を感じるかもしれません。こうした違いも理解し歩み寄ることで、関係はより強固になるでしょう。

友達の場合

友情関係においても、ISFPとENFPはおおむね相性が良い組み合わせです。共通する「人への優しさ」や「創造的な楽しみ」は、友達として時間を共にする上で大きなプラスになります。

例えば、二人で音楽フェスに出かければ、ISFPは生演奏に感動し、ENFPはその雰囲気から新たなインスピレーションを得るなど、互いにイベントを満喫できるでしょう。また、ENFPがムードメーカーとなってISFPを笑顔にし、ISFPは穏やかな聞き上手としてENFPの話に共感を示すように、お互いの良さが発揮されれば居心地の良い友情が育まれます。

ただし、友情においても違いから生じる課題はあります。例えばENFPは予定を詰め込みがちで、多くの友人とのイベントにISFPを何度も誘うかもしれません。内向的なISFPは誘いが頻繁すぎると疲れてしまうため、時には断る勇気も必要です。

加えて、ENFPはおしゃべりに夢中になりやすいので、ISFPが自分の意見やペースを伝える機会を持つことも大切です。お互いにその点を理解し配慮すれば、友情のバランスはうまく保てるでしょう。

MBTIを過度に信じるのはやめたほうがいい

ここまでISFPとENFPの特徴や相性について述べてきましたが、最後にMBTI(エムビーティーアイ)性格診断との付き合い方について触れておきましょう。MBTIは自分や他者の性格を理解するヒントになる有用なツールですが、過度に信じすぎるのは禁物です。

MBTIは性格傾向を示す一つの指標に過ぎず、人間の全てを四つのアルファベットで決めつけることはできません。同じタイプでも人によって価値観や行動パターンは異なりますし、タイプに当てはまらない一面も誰しも持っています。

MBTIの結果に縛られすぎると、「自分はこのタイプだからこうするべき」「あの人はあのタイプだから分かり合えない」といった先入観を生みやすくなります。性格診断はあくまで参考資料として活用し、現実の相手を一人の人間として見る姿勢を忘れないようにしましょう。

本当の相性は人次第で決まる

最後に強調したいのは、本当の相性は当人同士の人柄や努力次第で決まるということです。MBTIタイプが同じかどうか、似ているかどうかよりも、お互いを思いやる気持ちや価値観の共有、コミュニケーションの取り方といった要素の方がずっと大切です。

ISFPとENFPの組み合わせに限らず、人間関係は生きた相互作用の積み重ねです。たとえ性格診断上では相性が良いと言われるタイプ同士でも、実際の関係がうまくいくかどうかは二人の努力と理解にかかっています。逆に、タイプ上は相性が悪そうに見える組み合わせでも、本人同士の工夫や歩み寄り次第で素晴らしい関係を築く例も数多くあります。

要するに、MBTIのタイプは出会いや関係構築の一助にはなっても決定打ではありません。「ISFPだから」「ENFPだから」というレッテルにとらわれすぎず、目の前の人自身を知り、その人の良さを尊重することが、本当の意味で相性の良い関係を築く秘訣です。

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この記事を書いた人

DEEP JAPAN QUEST編集部は日本文化に関する総合情報メディアを運営するスペシャリスト集団です。DEEP JAPAN QUEST編集部は、リサーチャー・ライター・構成担当・編集担当・グロースハッカーから成り立っています。当サイトでは、日本文化全般に関わる記事を担当しています。

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